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2013年10月25日(金)|09:59|1枚のグラフから

米雇用情勢に楽観できないこれだけの理由

FRBが注目するのは米雇用状況の質的変化
米国の雇用データをよく見ると、米景気の先行きにはそうそう楽観できない。ポイントは、一般に報じられる「前月比での雇用者増減数」「失業率」はともかく、「パートタイマーとフルタイマーの構成比」「潜在的な失業者」の2つのデータ。図は、パートタイマーが増える一方でフルタイム労働者が減少していること、また「労働参加率」が下がるに従い、失業者にも就業者にもカウントされない潜在失業者が増える一方であることを示している。

(クリックすると拡大します)
 
政府機関の一部閉鎖で大幅に遅れた9月の米雇用データは一般に「18万人増予想に対してふたを開ければ14万8000人にとどまった」「失業率は0.1ポイント下がり7.2%」と報じられる。「雇用数は予測に比べちょっと悪かったが失業率は順調に低下」と評される。しかし雇用市場の質的な変化をみると、どうやらそんな単純な話では済みそうではない。

労働市場の基本は以下の通りだ。まず15歳〜64歳の人口が生産年齢人口。うち「働く意思のある者」の比を示すのが「労働参加率」。「働く意欲がある者」は「就業者」と「失業者」からなる。
そして「働く意欲がある者」のうち「失業者」の比を示すのが「失業率」。働く意思がなく職についていない者は「就業者」でもなく「失業者」でもない。さらに、就業者は「パートタイマー」と「フルタイマー」から成る。

現在米国が置かれている状況は以下の通りだ。
まずリーマンショック直前で最も雇用が好調だった2008年1月と比較すると、雇用者総数は177万人の減にとどまる。しかしうちパートタイマーが257万人増加している一方、フルタイムの労働者が433万人減少している。

理由の1つは産業構造の変化。製造業から非製造業の割合が高まってきた。非製造業の方が相対的に未熟練労働者が多いこと、人材の流動化が激しいことなどがパートタイマーを増加させた。これはわが国でも似たような事情にある。

2つ目には、リーマンショックを経て不況期に入ったことに伴い、労働コストの流動化を図るために多くの企業が、フルタイム労働者をパートタイマーへ切り替える動きが強まった。

さらに3つ目には、オバマケアの導入により週30時間以上のフルタイム労働者を50人以上雇用する企業には保険料の支払いが義務付けられる。これを避けるためにフルタイム労働者をパートタイマーに切り替える動きが強まった。

もう1点重要なことは、労働参加率の低下だ。2008年のリーマンショック当時までは66%で安定していたが最近では63.2%まで下がってきた。これは図にみる通り、「就業者」でもなければ「失業者」でもない人(潜在的失業者)が増えてきたことを意味する。職に就くことをあきらめた人、と言い換えてもいい。

つまり、過去5年間でこの潜在失業者が生産年齢人口100人(%)当たり2.8人(%)増えた。この潜在失業者をも広義の意味での失業者に含めれば失業者は7.35人。労働参加率が66%で安定していた2007年以前の労働参加率を基準にすれば、現在の7.2%という失業率は実は11.1%だ。

QE3の出口を模索しているFRB関係者にとり以上の事実は思い。

データはいずれも米労働省による。
http://www.bls.gov/data/
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角川総一
金融教育、金融評論家。
(株)金融データシステム代表取締役。1949年大阪生まれ。
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