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『超入門 5分で日本経済一周の旅ガイド』注釈

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『実況ライブ 日経電子版の歩き方 88のマーケットチャートを連想ゲームで全チェック』注釈

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『もう古い常識には騙されない 8つの経済常識・新旧対照表』注釈

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グラフギャラリー(総務省景気指標ダッシュボード版)

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2000年03月03日(金)|10:30|Kindle注釈メモ『新旧対照表 もう古い常識にはだまされない(第一集)』

kindlevo1注釈

<注釈メモ>

『もう古い常識には騙されない
8つの経済常識・新旧対照表』


第一集

 

リフレ派

リフレとはリフレーションの略。リフレーションとは「リ」(re=再び)「フレーション(flation=膨張)」。つまり民間に供給されるマネーの量が「再び」「膨張」する状態です。

マネーの供給をふやせば、物価が下がり(収縮し)続けるデフレの状態からさようならし、緩やかに物価が上がって(膨張して)いく。これがリフレ=リフレーション。こうして、政策的に物価を上げることで経済を安定的に成長させていくことができるとする考えの持ち主がリフレ派です。これがアベノミクスの政策の根本にあります。

しかし、巨額のマネーを5年以上にもわたって供給し続けてきたのに、物価は上がらない、もちろん景気の本格回復への道もまだ遠し。つまり、マネー供給により物価高を促し、それをデフレ脱却の目玉にしようとするリフレ政策は、効果が認められなくなってきたという見方が増えてきています。

 

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

国内の設備投資の勢いも想定以下

本文中で「設備投資が予想ほどには伸びなかった」と記しました。グラフのハイライト部分は、アベノミクスの時代を示すのですが、ポイントは2つあります。

1つは、アベノミクスの前半、つまりは2015年までは総じて順調な伸びを示したものの、それ以降は一段と伸び率が鈍化したこと。

2つ目は、年間をならすと現在の設備投資額の水準自体、リーマンショック以前(2,005年〜2,007年)より低いレベルにとどまっていることです。

予想には届かなかった企業の設備投資

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

先進諸国の成長率が低く

過去50年のGDPの伸び率を見る限り、Advanced Economies(先進国群)に比べEmerging and Developing Countries(新興・途上国群)の成長率の鈍化が目立ちます。

一般に経済が成熟してくるにつれ、成長率自体は鈍化するのですが、それとともに先進国に顕著な格差の拡大が成長率自体を引下げる一因になっているとの見方が強いのです。

先進国の成長率は低下の一途

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人

年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は公的年金の運用に携わる機関という性格上、その運用については相当厳格な規制が設けられています。中でも最も重要なのが運用資産でどのような資産をどの程度保有するかというメド。「基本ポートフォリオ」と呼ばれるものがそれですが、第二次安倍政権になってからこれが大きく変更されたのです。

2013年度までは日本株、海外株をあわせて資産全体の24%というのが基本だったのが、2014年度に見直され、各25%、計50%まで一気に引き上げられたのです。実際、2,018年時点では、ほぼこのガイドライン通りに株式を保有しています。

160兆円の資金を擁するGPIFの国内株式の保有シェアが13%上昇したのですが、この間に、日本株を計6兆3000億円程度新たに買い付けています。
 

 

☆     ☆     ☆

 

 

預貯金の保有シェアが高い高齢者

高齢者の金融資産に占める預貯金のシェアが高いことは、この図から明らかです。預貯金のシェア自体は39歳以下の世帯より若干低いのですが、金融資産の絶対額が60歳以上の世帯は圧倒的に大きいために、預貯金の金額はとても大きいとみるべきでしょう。

預貯金の比率が高い高齢者の金融資産

 

 

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第二集

 

 

リーマンショックとは

2,008年9月15日、米国でトップクラスの投資銀行(リーマン・ブラザーズ)が倒産、100年に一度の金融危機だ、と世界を震撼させました。直接の原因は、米国の不動産価格が急落して、住宅ローンを払えなくなった人が急増したこと。

彼らは、従来だったらとても住宅ローンを借りられない=審査に通らない=あまりお金を持たない人たちでした。彼らに対しても米国の銀行は、ゆる〜い基準でどんどん貸し付けていたのです。これがサブプライムローン。

プライム(prime)とは「優良な」。サブ(sub)は「補欠」。つまり「サブプライム」とは優良の下といった程度の意味です。

この時期、米国では銀行、借り手ともに「土地の価格は上がり続ける」と信じ込んで、いけいけドンドンだったんですね。まるで1980年代なかば、日本がバブル経済真っ只中にいたころと同じでした。

ところが、景気が過熱する危険があると判断した米国の中央銀行(FRB)は、金利を上げ始めた。「このままじゃ、バテてしまう」「早めにちょっと冷やしておいたほうが、景気は長続きする」と考えたのですね。2,004年半ばのことです。

1.0%だった政策金利が2,007年には5.25%まで、連続的に引き上げられた。「利上げ」ですね。これがきっかけになり、米国の不動産価格が急落した。

詳しい仕組みは略しますが、これでサブプライムローンの保証を行っていた金融機関の経営が、軒並み危機的状況に陥った。そして、その象徴的な出来事が、2,008年9月のリーマンショックだったというわけです。

これで「世界で最も資産(対外資産)を持っていて安心できる」円が買われるという原則どおりになった。つまり円高です。グラフにあるとおりですね。

chgraph1世界の不安心理映す円.jpg

 

2,008年後半から急激に円が高くなっています。こうなれば、日本企業は「ああ、もう国内から輸出するんじゃやっていけないや!」となった。

そこで本文に書いたとおり、工場(生産拠点)を海外に移した。こうなれば、我が国内で生産したものが海外に輸出される、というルートが細ったのは当たり前だったのです。

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

長期にわたり減り続けた実質賃金

1997年はわが国の経済にとっては一大折り返し点でした。1980年代バブルが崩壊してから、デフレ経済が長引く中で、不動産価格の暴落などをうけ多くの金融機関(北海道拓殖銀行、山一證券、日本再検診用銀行など)が倒産したのがこの年。

さらに、海外でもタイバーツの暴落を引き金にアジア通貨危機が勃発、タイ、韓国などの経済が事実上破綻、IMFが救済に出るなかで世界経済が大混乱したのです。

こうした内外の経済情勢の急変を受け、この年を境にわが国の賃金水準がピークを打つことになりました。

chgraph2減り続ける実質賃金.jpg

 

この図は、名目賃金からインフレ率を引いた実質賃金の動きです。1,997年から20年間に実に20%近くも賃金は下がったことになります。年1%程度。これが今日の個人消費の低迷につながったことは言うまでもありません。

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

債券が売られると利回りが上がる理由

金利について語られる時には「債券」が登場することが多いものです。しかし一般の人にとっては「債券」なんて、ほとんど縁もゆかりもない。

債券を発行してお金を調達した個人はほぼゼロでしょう。また「僕は債券を買って持っているよ」という人も100人中5人か6人いればいいくらい?

債券とは何か?ここにお金が必要とする人がいたとする。このときに、借用書のようなものを発行するのです。

たとえば「5年後の満期になれば、この券面に記されているとおりの100万円(額面)で払い戻すよ。その間は年に3%の割合で利子を支払うからね」「この証書を90万円で買って欲しいんだけど」といって発行されるものです。

お金を集めたい人がこんな約束で、一種の有価証券を発行する。国が発行したものが国債で、会社が発行すれば社債です。

この債券の値段が、90万円から80万円に下がれば、利回りは上がるのは当たり前ですね。ここ、計算するまでもないです。90万円で買っても、80万円で買っても、この債券を満期まで持っていれば、合計115万円として返ってくるのです(額面100万円+3%分*5年間)。

くどいようですが、債券はいくらで買おうが、それを満期まで持ったときに受け取れる合計金額は、まったく同じなのです。

買う人は「前より良い条件で買い物ができたぞ」ってなります。買い手が得したということは、債券の利回りが上がったってことです。

利回りとは、預けたお金(=元本)が1年あたりどれだけの収益を生むか、ですね。この債券だと、満期まで持てば、最終的に返ってくるお金は115万円。これは決まっている。90万円で買ったものが115万円になるのと、80万円で手に入れたものが115万円になるのとどっちが利回りが高いか、ってことです。

安く買えたほうが利回りは高いに決まっています。計算しなくてもいい。つまり、債券の価格が下がれば、利回りも上がるのですね。安いほうが買い手は有利=買い手は喜ぶ=利回りは高い。

そして時々の需給バランスに応じて、債券の価格は上下し、それにつれて利回りも動くのですね。

債券の中でもとくに、国が発行した10年満期の国債の利回りが一番重要。だって、発行されている量(金額)が断然多い。だから活発に売買されているというわけです。

はい、ワカッタところで再び本文へ復帰!

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

 

 

第三集

 

 

需給バランスの原則で金利は上がる

「需給バランス」と言っても簡単な話。より多数の者が損をする、というだけのこと。銀行のもとへ多くの人が借りに来る。殺到する。どうなるか?銀行は「こんなに沢山の人が借りに来たね。だったらチョッピリ金利を上げてやろうじゃないか」というわけです。

少数者(銀行)が多数者(借り手)の足元を見て、自分に有利なように条件を変える。変えることができる。これが需給バランスの原則です。言い換えれば弱肉強食の世界だとも言える。「そんな高い金利だと僕は借りられないよ〜」という弱者は、そこから弾き飛ばされる。

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

10年長期国債の利回り

実は(本書でもそうなのですが)、金利のお話をする時には「10年長期国債の利回り」(pc版)(スマホ版)が登場することが多いのです。なぜか。原則として、あらゆる金利のうち需給バランスをもっとも忠実に反映して決まるからです。

需給バランスに忠実に、ということは、自由自在に、と言ってもいい。「ということは預貯金金利や住宅ローン金利とは違うの?」。はい。まったく違うのです。

預貯金や貸出金利は個々の金融機関が経営に配慮した上で戦略的に決められるって、側面があります。まあ、大手の銀行は互いに横並びで決めるのが常なのですが。しかし、地方銀行や信用金庫の一部では都市銀行などと異なる預金金利を定めているところは少なくありません。また、ネット専用銀行などは飛び抜けて高い金利を採用している。

これらは「誰かが決めている金利」です。それに対して、10年国債の金利、利回りは「自然に決まる金利」なのです。何が違うって?

たとえば、スーパーは大根の売値を自由に決めます。今日は特売だ、といって「1本98円」って調子です。しかし、中央卸売市場(いちば)のせりでは、大根の値段を誰かが自由に決めることはできない。せりによって「決まる」のですね。株価も、誰かが決めることはできないと同じ。

そう、値段には「決める」ものと「決まる」ものがあるのです。預金金利、貸出金利は銀行が「決める」。これに対して、国債の利回りはいろいろな人(と言っても巨大金融機関、年金ファンド、証券会社等)が頻繁に出す売り買い注文によって「決まる」のです。

そしてその需給バランスで決まった国債の利回りが、その時点でのもっとも自然なバランスで決められた金利だということなのです。「トヨタ自動車の株価6800円」というのは、その時点でトヨタ自動車1株の値段=価値としては万人が平均して「6800円」だと認めたということなのですね。

長期金利の指標とされるのが、満期までの期間が10年として発行された10年国債の利回りなのです。つまり、市場で自由に売り買いされた結果ついた利回り。

新聞紙上で「日米長期金利差」なんて見出しがあった場合には、日米の「10年長期国債の利回りの差」を示すのが普通です。

なぜ“自由な”需給バランスなのか?それは、誰にも等しく開放されている市場だからです。金融機関は言うに及ばず、企業でも、地方自治体でも、あるいは海外の投資家、ヘッジファンドなどの投機家、あるいは外国の中央政府なども自由に参加できる。もちろん、我が国のGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)のような巨額の資金を持つ年金基金も、自由に売り買いしています。

そしてここでついた利回りが、他のあらゆる、と言っていい金利の中核をなすのです。これを「指標となる金利」と表現します。指標ということは基準ということでもあります。では日本の場合何の基本になるのか?

実際、銀行の長期の固定金利型住宅ローンや企業向けに1年を超える長期の資金を貸し出すときには、銀行はこの長期国債の利回りを基準にします。「長期金利の上昇を受け、三菱UFJ銀行は来月の長期固定住宅ローン金利を引き上げる」といった記事を見かけるでしょ。

さらには、この10年国債の利回りは、国が新しく発行する国債の金利を決める際にも決定的に重要だ。つまり、既に発行した10年の国債が0.8%で市場で取引されている時に、0.5%で新しく発行することはできない。誰も買わないからです。「だったら既に発行されて0.8%の利回りがついている銘柄を買うもん」ってなります。

あるいは、1.2%の金利で発行することもありえません。債券を発行してお金を調達しようとするもの(ここでは国=政府)はできるだけ低い金利で発行したいわけですから、限りなく0.8%に近い水準で、多くの人が買ってくれる利回りで発行しようとする。だからほぼ0.8%の利回りで発行せざるを得ない。

さあ、ここではこの程度にしておきます。では本文に戻ってGO!

 

 

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GDP(国内総生産)の伸び率

ここで示されているGDPデータは、四半期単位です。たとえばある年の7〜9月期。日本国内で行われた経済活動全体で、新しい経済価値が101兆円生み出されたとします。その前の4〜6月期には100兆円だった。この時には7〜9月期には「GDPが前期に比べ1%伸びた」ことになります。

そして、一般にはこれが年率換算したデータとして示されます。この場合だと概算で「4%」です。これが「年率換算したGDPの伸び率」というわけです。この数値が高ければ、景気の拡大ピッチが早い=景気が良いとみなすのです。

 

 

 

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コール翌日もの

我が国の金融機関は日常的にお金の貸し借りを行っています。金融機関ごとにお金が余っているところ、足りないところがあるからです。余っているか足りないかを決める一番の理由は「預金」と「貸出」のバランスが、どちらに傾いているかです。

いわゆるメガバンクと呼ばれる巨大銀行は、大企業へ大量の貸付を行っているため、どうしてもお金が不足しがちです。それに対し、地方の銀行や信用金庫といった規模の小さな金融機関は、貸出よりも圧倒的に預金が多いため、お金は余ります。

そのため、後者のお金が余っている金融機関が、前者の資金不足の銀行に、絶えずお金を貸している。そこで「1日限りで」といったごく短期の約束で貸し借りが行われるのが「コール市場」と呼ばれる金融市場です。ここで行われるお金の貸し借りで決まるのが「コール翌日物レート」と呼ばれる金利。これを、日銀が間接的にコントロールしているというわけです。

金融市場に(≒金融機関に)大量の資金を供給すると、全体ではお金が余りがちになるため、「コール翌日物金利」は下がります。つまり日銀は、市場のお金の量をコントロールすることを通じて、ここで取引される金利に間接的に影響を与えるのです。

政策的な意図に基づいてコントロールするため「政策金利」と呼ばれます。利上げとか利下げ、というのは、この「コール翌日物レート」を上げ下げすることを意味します。

 

 

 

☆     ☆     ☆

 

 

経団連寄りにバイアス

ちょっと寄り道です。経団連を牛耳っているのはメーカー、それも輸出企業です。経団連の歴代の会長を誰が務めてきたかをチェックすればそれは分かる。途中で組織の改変などもありましたが、1948年の初代会長(日産化学)から14代会長(日立製作所)に至るまで、すべてメーカーの会長あるいは社長が経団連の会長職を務めています(7代だけ東電会長)。

つまり、メーカー主導で運営されている。東芝、新日鉄、トヨタ自動車、キャノン、住友化学。これら日本を代表する輸出企業が綺羅星(キラボシ)の如く並んでいる。こりゃものの見事としか言いようがありません。

各種報道では、円高が進んだ時には「円高で輸出企業の収益環境は悪化」というフレーズが多用される。しかし「円高で輸入企業は輸入コストが下がり・・・業績にプラス」という表現はほとんど見かけません。

元来、多くの食料品などを輸入しているサービス業の中核を占める商業、小売、などは、円高のおかげでより安く仕入れることができる。電力などのエネルギー企業もそう。円高で確実に輸入価格は下がる。仕入れコストが下がるので、収益にはプラスです。しかし、円高によるこうしたプラス面の報道は総じて少ない。

 

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角川総一
金融教育、金融評論家。
(株)金融データシステム代表取締役。1949年大阪生まれ。
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